2025年の住まい選び、何が変わる?省エネ義務化と補助金の新常識を徹底解説

新築も中古購入も「知らないと損」な最新制度が続々登場。今押さえるべき省エネ基準や補助金・税制のポイントで、後悔しない住まいの選び方が変わります。

2025年の住まい選び、何が変わる?省エネ義務化と補助金の新常識を徹底解説

2025年以降の省エネ基準義務化について

2025年4月から「建築基準法」の改正により、全ての新築住宅(木造・非木造問わず)が省エネ基準に適合することが必須となります。これに伴い、これまで基準適合義務がなかった小規模住宅でも、省エネ性能を満たしていないと新築ができなくなります。

  • 該当範囲:2025年4月1日以降に着工するすべての新築住宅(マンション・一戸建て・共同住宅など)
  • 主な基準:断熱性、気密性、一次エネルギー消費量などに関する規定
  • 影響:建材コスト増加、省エネ仕様プランの検討、設計・確認手続きの増加など

省エネ基準の適合には、住宅の快適さや光熱費削減に直結する高断熱・高気密仕様の採用が不可欠となります。たとえば、サッシや窓ガラスは従来のアルミサッシから複層ガラスや樹脂サッシへの転換が進み、外壁や屋根も断熱材の厚みが増強されています。一次エネルギー消費量の計算では、最新の給湯器や高効率エアコン、LED照明などをバランスよく組み合わせることが推奨されています。

今後は国の方針として、2030年を目標に「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準」が新築住宅の最低基準となる見込みです。性能の高い住宅が求められる傾向が続くことが予想されています。2025年時点で新築を計画する際も、将来的な基準引き上げを見据えて、現時点でより高い性能基準(ZEH水準以上)を意識した設計・プランニングが重要です。


高性能住宅に対する補助金・税優遇の要件について

2025年度も、省エネ住宅を対象とした補助金や税制優遇制度が継続しますが、利用できる「省エネ基準」は年々厳格化しています。

  • 主な補助金
    • 子育てグリーン住宅支援事業(新築・リフォーム)
      • 2025年度から「GX志向型住宅」(ZEH以上の性能)では最大160万円、「ZEH水準住宅」では最大40万円の補助金あり
      • 新築は子育て世帯・若者夫婦世帯が対象、リフォームは全世帯を対象
      • リフォームは「必須工事」2種類以上実施、条件が引き上げられています
    • 先進的窓リノベ事業・給湯省エネ事業(既存住宅対象、最大補助額200万円など)
  • 税制優遇
    • 住宅ローン控除
      • 2025年末まで現行制度を継続中。最長13年間・最大455万円(世帯や住宅性能等で変動)
      • 子育て世帯・若者世帯向けの優遇や、ZEHなどの住宅性能に応じた控除額の差があります
      • 2026年以降は基準の変更可能性もあります
    • 住宅取得資金贈与の特例
      • 「質の高い住宅」については1,000万円まで非課税(基礎控除とあわせて1,110万円)
      • 所得や床面積などの詳細な要件が定められています

これらの補助金や優遇制度をフル活用するには、単に新築やリフォームをするだけでなく、「どの基準まで適合するか」「どの性能証明が取得できるか」「どのタイミングで申請するか」といった細かな条件確認が不可欠です。たとえばZEH水準で補助金を狙う場合は、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の評価書や第三者機関の証明が必要であり、これらの準備に時間やコストがかかります。

また、リフォーム助成金を利用する場合は、窓断熱や高効率給湯器に加え、バリアフリー改修や耐震改修との組み合わせで補助額が増加するケースもあります。既存住宅のリノベーション市場が活発化しつつある2025年、こうした各種補助金を組み合わせることが費用抑制のポイントです。

申請はハウスメーカーや登録事業者を通じて行う必要があり、予算の上限に達すると受付終了となる場合もあるため、早めの情報収集と事業者への相談が推奨されます。年度途中で制度変更や予算枠超過により申請終了となることも多いため、「年度始めの計画」「手続きスケジュールの事前把握」「必要書類の早期準備」を心がけましょう。


建築手続き・工期の変化

2025年4月の建築基準法改正で、長年簡略化されていた「四号特例」(小規模一戸建ての建築確認審査)の範囲が縮小されます。今後、2階建て以上のほとんどの住宅で建築確認手続きが必要となり、申請から許可までの期間が長くなる場合や準備資料が増えます。これにより工期が長くなるリスクや初期コストの増加も見込まれます。

たとえば、耐震性や省エネ性能だけでなく、設計図書や詳細な仕様書の提出義務が厳格化されています。特に都市部や特定用途地域では、それぞれの自治体独自の基準や追加資料の提出が求められるケースもあり、建築士や事業者との密な連携が不可欠です。

さらに、省エネ基準を満たすための設備投資などで、新築住宅の取得コストが上昇する傾向がみられます。これに伴い、建物の仕様や住宅設備を厳選し、余計なコストを避ける工夫も必要です。計画を立てる際には余裕を持って進めることや、複数の事業者で比較検討を行うことが重要となります。また、工期が従来より数週間~1ヶ月程度延びるケースもあるため、住宅引き渡しや引越しのスケジュールを十分確認しておくと安心です。


住宅価格や市場の動向

  • 価格の傾向
    • 土地、新築戸建て、中古マンションは、近年価格上昇が継続しています。特に都市部では高騰している傾向が見られます。
    • 新築マンション全国平均も上昇が続き、都心部では特に単価の高い取引が増加しています。
    • 価格上昇の要因には建築資材や人件費の高騰、インバウンド需要、金融政策などが影響しています。
    • 実際に2025年現在、資材高騰により新築の建築費が10~20%程度上がっている事例も報告されています。購入希望者は価格交渉や時期の検討も重要です。
  • 住宅ローン金利
    • 2024年のマイナス金利解除以降、2025年も固定・変動ローン金利ともに上昇傾向が見込まれます。
    • 固定金利の商品では1.5%前後、変動型でも1%を超える事例が増えるなど、今後ますます返済計画の見直しや基礎的な知識が必要とされています。
    • 現行の住宅ローン減税や優遇制度は「2025年末入居」までの利用が現実的とされています。
  • 空き家や高齢化の影響
    • 2025年は高齢者人口の増加により、空き家や相続住宅が増加する見通しです。
    • 地方や郊外では中古住宅+リノベーションの選択肢が増え、コスト面でのメリットや多様な住まい選びが可能になっています。
    • 住宅資産価値の維持や将来的な転売も視野に入れ、立地や管理状況にもより一層の配慮が必要です。

住まいの選択・購入時の注意点

  • 性能基準とコストのバランス
    • ZEHやGX志向型住宅は初期コストや工期が増加する場合もありますが、光熱費や税負担軽減といった面での効果が見込まれます。
    • 一方、住宅性能を高めることで将来的なリセールバリュー(資産価値)も維持しやすく、長期的な家計メリットがあります。
    • ローン返済や維持管理のコストも含め、総合的な視点で比較検討することが推奨されています。
  • 手続きや証明要件の確認
    • 補助金や住宅ローン控除などの制度は、対象となる性能証明や申請要件、期限などが詳細に規定されています。
    • 申請漏れや期限切れにより制度を利用できなくなることもあるので、不動産会社や住宅会社、税理士などの専門家と相談することが重要です。
    • また、証明書類の取得や申請時の必要書類が以前より増加しているため、最新のチェックリストで注意深く準備しましょう。
  • 事業者との比較・検討
    • 省エネ技術や補助金対応、見積コストなどは事業者ごとに大きな違いが生じる場合があります。
    • 例えば、省エネ基準の適合方法・設計力・補助金活用実績など、総合的なサービス内容で比較しましょう。
    • 可能な限り複数の事業者からプランや見積を取得し、将来的な資産価値も含めて検討するとよいでしょう。

リフォーム・中古購入時の最新活用術と留意点【2025年版】

2025年は「新築至上主義」から「賢くリノベ・中古活用」への意識転換が加速しています。とりわけ住宅価格や新築コストの高騰、将来的な空き家増加を背景に、中古住宅購入+省エネリフォームが現実的な選択肢として定着してきました。今年度の最新リフォーム補助制度や中古取得時の税制優遇の実例、実際のステップについて解説します。

まず、子育てグリーン住宅支援事業や先進的窓リノベ2025事業、給湯省エネ2025事業といった国の補助制度は、リフォーム分野で手厚くなっており、2025年のリフォーム補助金対象は「ZEH水準」相当の省エネ工事や子育て対応工事など「必須工事」2種以上の実施が条件です。例えば、サッシの全面断熱化+高効率給湯器交換を同時に行えば、最大40万円~60万円の補助対象となります(工事内容により積算)。窓断熱リフォーム(先進的窓リノベ)では、サッシやガラスのグレードとサイズに応じて補助額が加算され、標準的なマンション1室でも総額100万円近い補助を受ける事例も増えています。

「中古住宅+リフォーム」の場合、まず物件の断熱や耐震性能、給排水や設備状況を専門家(インスペクション活用)の目で確かめ、必要な工事項目を洗い出しましょう。リフォーム計画は早期に登録事業者に相談し、予算や補助金上限、申請時期、必要書類を明確化することが失敗回避のカギとなります。特に2025年度からは補助金申請受付が「原則3月中旬開始」で「予算超過時は早期終了」するため、年明けから具体的な準備と申込みスケジュールを逆算して進めるのが鉄則です。

税制面でも、中古住宅リフォームで住宅ローン控除が10年適用になるほか、一定基準を満たせば住宅取得資金贈与の特例(最大1,110万円非課税)が利用可能です。特に中古マンション購入では、築年数や床面積要件、売主によるリフォーム済みの場合でも申請条件が細かく定義されているため、不動産会社・リフォーム会社・税理士の三者を巻き込み、素早く情報共有・事前チェックすることが賢明です。

加えて、リフォーム費用の一部を住宅ローンと一体化して借りる「リフォーム一体型ローン」も活用できます。初めての中古住宅取得なら、各種インスペクション(住宅診断)の実施で修繕リスクや隠れた不具合コストを事前に見極め、将来的な資産価値や維持費もふまえてトータルで資金計画を組み立てると安心です。また、中古住宅でも省エネ改修やバリアフリー改修、耐震補強など「複合リフォーム」による補助金増額が期待できる点も2025年におけるメリットとなります。

このように、物件選びからリフォーム、資金調達、補助金・優遇税制までを戦略的に組み合わせることで、「新築同等以上の住み心地」「将来的な資産価値維持」「長期的なコストパフォーマンス」の三拍子を狙うことができます。2025年の多様化する住まい選びでは、情報感度と計画力、そして信頼できる専門家とのネットワーク構築が何よりも重要です。


2025年の住まい選びに役立つアドバイス

  1. 新築住宅を検討する場合、省エネ基準や補助金制度、建築コストの動向を早めに調べて計画を立てることが重要です。
  2. 中古住宅やリフォームでも、省エネリフォーム補助金や住宅ローン控除、贈与特例などを有効に活用する方法を検討できます。
  3. ローン返済計画については、将来的な金利上昇リスクや制度変更も考慮し、慎重に資金計画を立てましょう。
  4. 資産価値の維持や向上の観点から、省エネや耐震性能、立地や管理状況が重視されています。
  5. 制度や手続きが変更される時期は、情報収集と専門家への相談が特に重要です。

加えて、2025年は「価格」「制度変更」「性能」のいずれも変化の大きい年であり、将来を見据えた柔軟な選択肢を持つことが大切です。早期の相談・見積もり・情報収集がトラブル防止やメリット享受のカギとなります。特に人気立地や高性能住宅では申込や着工が集中する傾向があり、「予算枠の早期終了」や「施工時期の混雑」も見込まれますので、スケジュール調整・事前確認も念入りに行いましょう。

2025年の日本の住まい市場は転換期を迎えており、性能、コスト、手続き、資産価値の各面でさまざまな選択肢や要件があります。自分や家族に合った選択ができるよう、早めに計画を進め、信頼できる事業者や専門家との連携を心掛けてみてください。


参考情報

  • [2025年度 最新版 住宅購入の補助金・税制優遇はどうなる? 住宅情報館](https://www.jutakujohokan.co.jp/article/2025/01/25/fy25_gsupport_tax/)
  • [【2025年版】住宅の価格はどう推移する?最新動向と家を買うベストなタイミング アットホーム](https://www.athome.co.jp/contents/for-buyers/buyers-kiso/price-trends/)
  • [2025年建築基準法改正で何が変わる?家づくりの前に知っておきたいこと HOME4U 家づくりのとびら](https://house.home4u.jp/contents/house-350-21255)

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