災害対策からキャンプまで！2025年最新ポータブル電源の選び方と価格比較

携帯用発電所（ポータブル電源）は、災害時の非常用電源として、またキャンプや車中泊、アウトドアや旅行など電源のない環境での使用に適した持ち運び可能な電源機器です。2025年の日本市場では、多様な容量や機能を持ったモデルが展開されており、価格帯も容量や機能によって異なります。

本記事では、目的に合った携帯用発電所の容量や機能、価格相場を比較し、用途別の選び方のポイントを紹介します。

携帯用発電所とは？用途と特徴

携帯用発電所は、リチウムイオン電池（主に安全性と長寿命が評価されているリン酸鉄リチウム電池を採用するモデルが多い）を内蔵し、屋外や停電時にスマートフォン、ラジオ、LED照明、パソコンなどの電力供給を目的とした携帯型電源システムです。

非常用電源（防災用）：停電時にスマートフォンの充電やLEDライトの電力供給に利用可能。容量の大きいモデルでは冷蔵庫や調理家電にも対応可能な場合があります。
キャンプ・車中泊用：ファン、冷蔵庫、炊飯器、ホットプレートなどを一定時間使用できるモデルもあります。
旅行や屋外作業：工事現場やイベント、DIY作業時の電源としての活用が想定されます。

ほとんどの製品は動作音が静かで排気ガスを出さず、環境に配慮した設計となっており、屋内外での利用に適しています。

また、最近のモデルではアプリ連携による電源管理や消費電力のモニタリング機能が充実しており、ユーザーは使用状況をリアルタイムで把握できるため、より効率的に電源を利用できます。さらに、一部製品はソーラーパネルとの組み合わせを想定した設計で、自然エネルギーを有効活用しながら屋外での活動時間を延ばすことが可能です。

容量（Wh）と出力（W）の選び方と価格帯

携帯用発電所の基本的な性能指標は「容量（Wh＝ワットアワー）」と「定格出力（W＝ワット）」です。

容量（Wh）：蓄電できる電力量の目安。数値が大きいほど長時間や多くの機器を使うことができる可能性があります。
定格出力（W）：瞬間的に供給できる最大の電力。消費電力の高い家電製品を使用する場合は高出力モデルが適します。

用途別の容量目安と価格帯例

用途	容量（Wh）	価格帯（円）	補足説明
スマホ充電やLED照明の最低限の利用	約250Wh	4〜5万円	軽量（約5kg前後）、コンパクトで持ち運びやすいモデルが多い。
ソロキャンプ・車中泊（小型冷蔵庫などの使用含む）	700〜1000Wh	7〜15万円	約7〜15kgで家電使用に十分な容量と出力のモデル。
小規模な家庭避難や長時間の緊急用電源	1200Wh以上	18〜40万円	一部モデルではより大きな容量や出力で冷蔵庫や調理器具対応も可能。

容量が1000Whを超えるモデルでは、小型冷蔵庫や調理家電を一定時間利用することが検討できる場合があります。

実際にどの程度の容量が必要かは、使用したい機器の消費電力と使用時間の目安を計算することが基本です。例えば、スマートフォンの充電には1回あたり約10Wh程度が必要ですが、小型冷蔵庫の継続使用には数百Wh、ホットプレートなどの調理器具使用の場合は1000Wを超える高出力が必要になることもあります。こうした具体的な使用シーンをイメージしつつ、容量と出力を吟味しましょう。

日本市場の代表的なブランドとモデルの性能概要（2025年）

日本市場で販売されている主要ブランドの代表的モデルの概要を示します。詳細な仕様や価格はメーカーや販売店の情報を確認ください。

Jackery

Jackery ポータブル電源 1000 Plus
- 容量：1070Wh
- 出力：1500W
- 重量：約10.8kg
- 充電時間：約1.7時間（AC充電）
- 特徴：アプリによる遠隔操作機能があり、5年保証を提供、静音設計。
- 価格帯：12〜15万円程度
Jackery ポータブル電源 2000 New
- 容量：2042Wh
- 出力：2200W
- 重量：約18kg
- 特徴：幅広い家電対応が可能な大容量モデル。
- 価格帯：20万円前後〜

EcoFlow

DELTA3 1500
- 容量：1536Wh
- 出力：1500W
- 重量：16kg
- 特徴：約1.5時間での急速充電、防塵防滴(IP54)対応、長寿命設計。
- 価格帯：18〜25万円程度
DELTA Pro
- 容量：3360Wh
- 出力：3000W
- 重量：45kg（車輪付きモデルあり）
- 特徴：非常に大きな容量で車中泊や長期避難に適したモデル。
- 価格帯：30万円以上

Anker

Solix C1000 Portable Power Station
- 容量：1150Wh
- 出力：1500W
- 重量：12.9kg
- 特徴：急速充電対応（約58分）、UPS機能搭載、5年保証（延長可能）。
- 価格帯：10〜15万円
757 Portable Power Station
- 容量：1229Wh
- 出力：1500W
- 複数のUSBポートとACコンセントを搭載。
- 重量：約19kg

PECRON

E1500LFP
- 容量：1536Wh
- 出力：2200W
- 重量：約18kg
- 特徴：防塵防滴(IP54)対応、耐熱性能あり。
- 価格帯：20万円前後

その他の例

BLUETTI AC70（中容量モデル、約6〜8万円）
EcoFlow RIVER3（小型軽量モデル、約3万円〜）
Jackery 600 Plus（軽量でキャンプ向き、約5万円前後）

各ブランドはそれぞれ特徴的なサービスやサポート体制を備えているため、購入前には保証内容やアフターサービスも確認しておくと安心です。特に初めての購入者は操作が簡単でユーザーフレンドリーなモデルを選ぶことをおすすめします。

携帯用発電所の機能を選ぶ際のポイント

購入の際には以下の機能を確認すると用途に合ったモデル選びに役立ちます。

ACコンセントの口数：複数の家電を同時に使う場合は2〜3個以上が目安。
USBポートの種類と数：USB Type-A、Type-Cが複数あるとスマートフォンやタブレットの同時充電が便利。急速充電対応モデルも選択肢。
パススルー充電：本体を充電しながら他の機器に給電できると長期間の使用時に便利。
充電方法：家庭用AC、車載DC、ソーラーパネル充電対応があると利用シーンが広がり、急速充電対応なら充電時間が短縮可能。
防塵・防水性能：屋外での使用が多い場合、IP54などの防塵防水性能を備えた製品を検討。
重量と携帯性：5kg以下は日帰りキャンプに適し、10kg以上は持ち運びに注意が必要。キャスター付きモデルもある。
安全機能：BMS(バッテリー管理システム)やUPS機能搭載は過充電や過放電の保護に役立つことがあります。
スマート機能：最近のモデルではWi-FiやBluetooth接続により、スマホアプリで詳細な電力消費状況の確認や遠隔操作ができる製品が増えています。これにより、無駄な電力消費を抑え、効率的に使うことができるのが大きなメリットです。

携帯用発電所の購入価格相場（2025年日本市場）

小容量モデル（250Wh前後、小型軽量・スマホ充電用途など）：約4〜5万円
中容量モデル（700〜1500Wh、キャンプや車中泊に適したモデル）：約7〜20万円
大容量モデル（2000Wh以上、災害用や長期避難向け）：約20万〜40万円以上

販売店や公式サイトではキャンペーンやセールが実施されることがあり、これらを利用すると購入費用が低減する場合があります。たとえば、年明けの「初売り」や夏季の「アウトドアシーズン向けキャンペーン」などでは割引が適用されやすい傾向があるため、2025年の購入計画時はタイミングを見計らうことも賢い選択です。

キャンプや非常時に適した容量の選択例

スマホ充電やLEDライトのみ利用する場合：250Wh程度。軽量で持ち運びやすく、1泊のキャンプや最低限の非常用電源として利用しやすい容量。
1泊～2泊のソロキャンプや車中泊：700〜1000Wh程度。小型冷蔵庫やLED照明、調理家電の一部も利用できる容量。
家族でのキャンプや長時間停電対策：1200Wh以上。冷蔵庫や電子レンジ、暖房器具など高出力の家電を使用したい場合に検討できる容量。

ユーザーのライフスタイルやシーンに応じて複数モデルを使い分けるケースも増えてきています。日帰りや軽いアウトドアには小型軽量モデルを携帯し、長期や高出力が必要な際には大容量モデルを準備することで、柔軟に対応可能です。

購入時の注意事項とポイント

バッテリーの寿命：リン酸鉄リチウムイオン電池のサイクル数が2000〜4000回程度の製品は長期利用に適しており、発火リスクが相対的に低いとされています。
保証期間：信頼できるメーカーでは長期保証（例：5年など）を提供する場合があります。Jackery、Anker、EcoFlowなどは評価されていることが多いです。
中古品利用の注意点：中古品では安全性やバッテリー劣化の懸念があるため、新品または信頼できるレンタルサービスの利用を推奨します。
安全認証：「PSEマーク」の有無やメーカー提供のバッテリーマネジメントシステム（BMS）搭載の有無を確認してください。
ソーラーパネルとの互換性：ソーラーパネルを利用予定の場合は本体の接続ポートや純正品との互換性を事前に確認しましょう。
運搬性：頻繁に持ち運ぶ場合は重量だけでなく、取っ手やキャスターの有無も考慮すると良いでしょう。
充電環境の確保：緊急時や屋外での充電手段も意識し、複数の充電オプションを持つモデルを選ぶことも安心につながります。例えば、自宅のAC電源や車載充電のほかに、別売りのソーラーパネルでのチャージに対応しているかも確認しましょう。